瞑想を学ぶ機会を得た。
この自分が瞑想だなんて、正直、少し前では考えもつかなかったことだ。
瞑想なんてスピリチュアル的な怪しいものだと思っていたし、そういう精神的なことの価値を理解していなかったからだ。
瞑想というとどういうものを思い浮かべるだろうか。やはり宗教色が濃いイメージがあると思う。私の年代なんかは、オウム真理教などの怪しい宗教を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。麻原彰晃が座りながら宙に浮くようなイメージだ。要は、怪しくて危険な印象を持っている人が多いのではないかと思う。少なくとも私はそうであった。
瞑想のことやその背景、つまりは瞑想の歴史や現代における瞑想というものの位置付け、どのようなものとして世の中で捉えられているのかなど詳しくは知らないが、そんな私が瞑想を経験みて、これはみんなが取り入れるべきではないかとそのようなことを思った。
これはその場で聞いたことだが、著名人の中にも瞑想を取り入れている人は多いとのことだ。イチローやベッカムなどのスポーツマンも瞑想をトレーニングに取り入れているらしい。松下幸之助さんやスティーブジョブズなども瞑想を行っていたと聞く。著名な財界人でそういうことをやっている人は多いらしい。
では、瞑想の効果というものは何か。
これはあくまでも自分の理解の範囲のことであるが、それは、自分自身の純粋な気持ちを呼び覚ます行為なのではないかと思う。純粋な気持ちとは、本当に自分自身が好きなものやりたいことの想いに触れるということだ。それをやりたい、それが好きだという想いをそれこそ思い出すということではないかと思う。
そして、そうすることで、その純粋な気持ちの妨げになっているもの、自分が好きなことをやりたいのにできていないという事実が見えてくる。それは、知らず知らずのうちに縛られている現代社会の常識であったり、過去の経験、特に失敗や他人からの否定の記憶による恐怖であったり、親や教師といった過去に自分よりも大きかった存在から突きつけられた言葉など、自己の潜在意識の中にごちゃごちゃと入り込んで、もう何が何だかわからなくなった、自分自身でコントロールできなくなっている様々なヘドロのようなものだ。
この時代、様々な情報が溢れかえり、頭の中に必要以上のデータが流れ込んでくる世の中になっているが、正直言って大半のものは今の自分が生きていく上に必要でない情報、もっと言うと、自分にとって害となる情報が本当に多いのではないかと思う。
その情報は人々の不安を掻き立て、あんな風にならなければならないという焦燥感を駆り立てる。
一流の大学を出て一流企業に入らないといけない、ブランド物の服や装飾品で身を飾らないといけない、スタイルが良くないといけない、休暇は海外旅行に行かないといけない、素敵な家を持たなくてはならない、空気を読めなければいけない、結婚してないといけない、子供がいないといけない、みんなから好かれる人にならなくてはいけない・・・
そうやって、高級な服を着て、化粧をして、自己啓発のセミナーに通い、子供を高額な塾に通わせて、高級なレストランに行き、みんなに好かれようと努力して、そうやって消耗していく。そういう状況になっているように思う。
実は、それぞれのことは決して悪いことではない。
それどころか、本来とても素敵なことのはずだ。
素敵な服を身に纏うことはとても素敵なことだ。化粧をして綺麗になることもとても素敵なことだ。自己啓発のセミナーに通って自己研鑽に励むこともとても素敵なことだ。子供に良い教育を受けさせることも重要なことである。美味しいものを食べると本当に幸せな気持ちになる。人から好かれることは本当に嬉しいし幸せなことだ。
要するに、それが本当に自分の好きなこと、自分自身を喜ばせること、自分のやりたいことなのかどうかってことだと思う。掻き立てられた不安を取り繕うためにやりたいと思わされていることなのではないかということだ。
瞑想をして、自分自身の純粋意識に触れること。それは、本当に自分自身が何に喜びを感じるのかを思い出すことにつながる。必要なものが何で必要でないものが何なのかということを頭の中ではなく、最も深いところにある純粋意識に問うということなのではないかと思う。
世の中に溢れかえっている多種多様な、有益なもののあれば毒になるものもある情報から、本当に自分が必要なものを受け取る、そういうことができる身体になるための鍛錬としては、瞑想ってのは本当に素晴らしいと、そんなことを感じた。
瞑想と言っても、ちっとも難しいことをしているのではなく、まず簡単なヨガで体をほぐし、20分程度座って目を閉じているだけ。ちょっとしたテクニックはあるのだが、難しいものではない。確かにそれだけで、心が落ち着く。でも、まだ、それが自分の行動にどのような影響を与えているのかということは正直まだよく分からない。
それでも、なんだろう、心の奥底の方から、この瞑想に意味があるのだということ、そういう気持ちが湧き上がってくる。これはきっと自分の身体が欲していることなのだろうと思うので、時間を見つけて今後も続けていこうと思う。
まあ、何か新たなものが見つかったら、報告させていただきます。