自分を愛することの必要性

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去年は自分と向き合う一年であったように思う。
 
ある研修プログラムに思い切って参加したことがきっかけで多くの人と出会うことができた。特に加藤秀視さんと長倉顕太さんという素晴らしい方との出会いがあったことは、去年のことというよりは、自分の人生の中で特筆すべき出来事であった。
 
それらの研修や出会いを通じて、自分と向かい合うということを否応なしに経験することとなった。自分というものは、他人の目に映った自分を通じてしか知ることができないものである。つまりは、他人と真剣に向き合うことが結果的に自分を知るということであり、真剣に他人に向き合うことができなければ、自分を知ることもできないということだ。それに気づいた時、自分の何が決定的に欠けていたのかを知ることとなった。
 

大学を出てから一つの会社で20年以上働いてきたが、ここ数年は、自分の在り方というものに徐々に違和感を感じるようになっていた。自分がいったい何をしたいのか、そこに焦点を当てるのではなく、他人の評価を過度に気にしている自分がそこにいたように思う。人間関係においても、自分の殻を徐々に脱ぎ捨ててきたつもりではいたが、どうしても自分がどう思われるか、嫌われるんじゃないか、そういうことを恐れて他人との距離を測りかねていた自分がそこにいた。その恐れから、他人との距離を置くことで自分を守っているのだということがよくわかった。
 
人から好かれたいということが中心になってしまうと、自分のことを好いている人を好み、自分のことを好いていない人を避けることになる。そうした所で、他人が自分をどう思ってるかなんて自分が勝手に思っているいわば妄想の世界であり、そんな脆い思い込みはちょっとしたことで揺らいでしまう。まさしく砂上の楼閣である。あの人は自分のことを好いていると思っていたのに実はそうではないのだろうかなんてことが不安として自分の中に湧き出てくるともうダメになる。裏切られたとか、信じられないとか、そういう負の感情が自分の安定をかき乱し、人に対する恐れとなって出てしまう。
 
そういうことではなく、単純なことで、自分を軸として考えればいいのだ。自分が好きでいればいいのだ。好きな人のために自分に何ができるかが重要なのであり、それだけで十分に幸せを感じられるものなのだ。
 
他人は自分が思っている以上に親切で優しい。それを感じることができた時、自分をさらけ出すこと、他人との距離を縮めることに恐れる必要はないと思うことができた。中には優しくない人もいるだろうし、傷つくこともあるだろうけど、そんな時こそもっと他の人に愛を振りまけばいい。そしたら、傷ついた自分自身が救われるほどの愛を受け取ることができるのである。
 
自分と向かい合って感じたのは、自分は人に何かを与えるのが好きなのだということだ。だが今までは、どう評価されるかということに焦点が当たっていたために自分自身が評価されていないと感じた瞬間に心の安定が乱されていたのだと思う。自分が他人のために何かをすることで評価を得て、それで自己の存在価値を確認しようとしていたのだと思う。
 
根本が違っていた。人に何かを与えるためにやるべきことは自分自身の充実である。当たり前の話であって、自分が何かを持っていなければ、与えることなどできない。知識を与えたければ知識を得ることが必要だろう。お金を与えたければお金を得ることが必要だろう。それと一緒で、他人を幸せにしたいのなら、一番大切なのは自分が幸せでいること、今幸せであることを実感することだろう。他人を楽しませたいのであれば、自分が楽しんでいなければできるわけがない。他人を愛したいのであれば、自分を愛していなければならない。今の自分を認めていなければ、他人に何かを与えることなどできないのだ。そこに、他人の評価など入り込む隙はどこにもない。なぜなら、まずは認めること与えることから始まるのだから。
 
そういうことを感じられた時に、自分の心がとても軽くなった。他人からどう思われるかということは自分の価値とは関係ないことであり、今の裸の自分にも十分な価値があるのだと感じられたことで、とても心が軽くなった。長年こびりついていて簡単に落ちることのなかった垢が剥がれ落ちたような気がして、その中にある裸の自分を好きになることができた。
 
自分は与える人だ。そうありたいと思う。でもそれは、誰かの評価を求める必要などなく、自分がやりたいようにやればいいのだ。そんなことを感じられたことで、自分の在り方というものが少しわかってきたように思う。
 
今年はもっと楽しいことが待っている予感がする。
何か大きな飛躍があるのではと自分を信じることができる。
もっと大きなものを与えられる気がする。
もっと大きなものを得られる気がする。
 
そう勝手に思っておこう。
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