ザ・トゥルー・コスト〜自分が身につけるものをどれだけ意識していますか

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少し前になるが、「ザ・トゥルー・コスト ファストファッション真の代償」の上映会に参加した時のこと。
 
この映画は、ファストファッションという安くてファッショナブルな洋服などを大量生産しているブランドを支える仕組みを説明しているドキュメンタリー映画。ファストファッションが発展途上国に住む人々やその環境に対してどれだけ悪い影響を与えているかということがテーマになっていた。
 
この上映会はサンマーク出版の鈴木七沖さんが企画されたイベントで、上映後に、鈴木七沖さんと外所一石さんのトークの時間があった。外所一石さんは、一昨年のSEKAI NO OWARIの紅白の衣装のデザインを手掛けるなど、様々なところで活躍されているとても素敵な方だ。
 
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その外所さんが、
 
「この映画を見て感じた重い気持ちはここに置いていってください」
「これを見て自分自身の問いを立てることが重要」
 
ということをトークの中で話されていた。
 
確かに、映像や内容はかなり刺激的で、ファストファッションがいかにダメかという批判的な思いや、自分がファストファッションを買っていたことに対する自責の念みたいなものがグルグルと渦巻く。ただ、決してファストファッションを買ってはいけないということではなく、そういうものだということを理解して購入することが、あるいは、購入しないことが重要なのであろう。つまりは、何故自分がその行動を起こすのか、何故買うのか買わないのか、そういう問いを自分に立てることで、自分の行動の源泉にあるものが何かということをもっと理解できるのだろうと感じた。
 
自分はというと、できるだけファストファッションを買わないようにしているが、それが何故かと問いを立ててみると、ファストファッションを買わないからといって発展途上国の人々や環境のことを意識していたわけではなく、ただ単にちょっと高いブランド物を身につけてカッコつけているだけという方が近いような気がした。どちらかというと、そういうブランド物を身につけることで自分自身を飾っているような、人からよく見られたいといったようなそういう薄っぺらい気持ちで買っているように感じた。
 
また、どうしても考えてしまうのは、できるだけ安いものという気持ちが入る。なんとなくその方が得したような気がするからだ。だから、バーゲンセールでものを買う、それも、本当に自分がいいと思っているものではなく、そのブランドのものが欲しいという理由で買ってしまったりするのであろう。
 
そういう薄っぺらい思いで買ったものを身につけたら薄っぺらい自分になってしまう。カッコばかりを気にし、人からどう見られるかばかりを気にしている自分になってしまう。そうすると外見を気にして、できるだけ安いものを探すようなそんな人間が出来上がるのだろうし、それが今の自分なのだろう。
 
そうではなく、自分が喜ぶものを選んでいきたい。身につけるもの周りに置くものは自分の喜びのために、自分が喜ぶもの、自分の心がトキメクものを身につけ、そういうものに囲まれるようになりたい。多くは要らない。少ない数で十分なので、心がトキメクものを買いたい。
 
そう考えると、自分の買うものがどういう背景を持っているのか、どこで作れらているのか、どんな素材を使っているのか、誰が作っているのかといったことに自然と目が向くようになる。そうすることで、一体自分が何に価値観を置き、自分がどういう人間でありたいのか、そういうことにも気づくようになるのだろうと、そんなことを考えさせられた。
 
ただ映画だけを見たのであればそういう気づきがなかったと思うが、鈴木さん外所さんという素敵な人に触れることができたことで、自分の内面を知るそういうきっかけになったように思う。
 
決して高いものを買うのがいいとかそういうことを言っているのではなく、自分自身を喜ばせるものを買う。自分自身が喜ぶものを身につけて、自分自身が喜ぶものに囲まれる生活をするためにお金を使いたいと、そんなことを考えるようになったら、逆に、あまり欲しいものがなくなってきた。
 
自分の周りを見てみると自分が今持っているものも結構自分を喜ばせてくれるなと、そんなことも感じたので、それをもっと大切に。さほど喜ばせてくれないものは、今までお世話になった感謝を述べて捨てていこう。そうすると何か自分の周りがシンプルになってくるようなそんな気がするものである。
 
そんなことを言いながら、先日試着した服がすごく素敵でこれを着たらカッコいいななんて思っている自分もまだまだいる。自分が喜ぶだろうなと思いつつ値段を見てびっくりで、お金のブロックはまだまだ自分の中にある。でも、流されて行動するのではなく、人の目を気にするのではなく、もっともっと、何が自分を喜ばせ、楽しませるのか、自分の純粋意識からくる声に耳を傾けていこうとそう思った。
 
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